当別町議会2025年12月定例会
- 佐藤たつ

- 6 日前
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更新日:8 分前

2025年12月5日(金)に当別町議会12月定例会が開会しました。会期は12月12日までの8日間です。公開情報をもとに、議会の概要をお知らせします。
基にした情報
このページのスライドは、youtubeの議会中継からnotebookLMで生成しました。
もくじ
会議日程

12月8日(月)13:00 総務文教常任委員会
12月9日(火)13:00 産業厚生常任委員会
12月10日(水)~11日(木)一般質問
12月12日(金)本会議(採決)

初日:3件の請願が提出されました
12月定例会では3つの請願が提出されました。
教育予算拡充に関する請願(請願第1号)


医療機関への支援に関する請願(請願第2号)・介護制度改善に関する請願(請願第3号)



3つの請願は総務文教常任委員会、産業厚生常任委員会に付託されました。それぞれの委員会で採択するかしないかの審議が行われます。

12月8日総務文教常任委員会

令和7年12月8日に開催された総務文教常任委員会では、所管事務調査として、総務部、企画部、教育委員会からの補正予算案、条例改正案の説明や計画案の報告などが行われました。
また付託案件として「旧当別町開拓郷土館等の収蔵資料の活用を要望する陳情書」と「義務教育費国庫負担制度堅持、負担率の2分の1への復元など、教育予算拡充と豊かな学びを求める意見書の採択を政府に求める請願」の審査が行われました。
当別町議会は本会議主義をとっていて、各常任委員会では議案の説明と質疑を行い、採決は12月12日の本会議で行います。また、自分が所属していない常任委員会で説明された案件についてや、常任委員会での質疑に追加して質疑を行う必要がある場合は、本会議で質疑を行うこともできます。
1.所管事務調査(各部からの説明・質疑)

総務部
専決処分の報告
公用車の物損事故(自転車との接触による衣服の破損)に関する損害賠償額の決定と和解について報告されました。
補正予算(議案第1号関連)
物価高騰対応の交付金増額や、人事院勧告に伴う会計年度任用職員の報酬増額、退職手当組合負担金の増額などが計上されました。
条例改正
職員給与人事院勧告に基づき、期末・勤勉手当の引き上げや住居手当の見直しを行う改正。
マイナンバー関連ガバメントクラウド移行に伴う宛名番号管理機能の実装に関する改正。
選挙公営公職選挙法施行令の改正に伴う、選挙運動用ビラやポスター作成の公費負担限度額の引き上げ。
公共施設等総合管理計画(報告)

老朽化する公共施設の管理方針や建て替え費用などを定めた新計画および個別施設計画の概要が示されました。
企画部
補正予算(議案第1号関連)
ふるさと納税制度変更への対応や業務効率化のため、寄附促進業務委託を令和10年度までの債務負担行為として設定。
光ファイバー修繕修繕箇所の増加に伴い、修繕料を200万円増額。
北海道医療大学連携プロジェクト基金条例(議案第10号)

大学との連携事業推進のため、企業版ふるさと納税の受け皿となる基金を設置する条例案です。現在、エア・ウォーター北海道などからの寄附を募っていることが説明されました。
第2期総合戦略の実績報告

サツドラ誘致や道の駅の利用者増(過去最高)などの成果があった一方、木質バイオマス発電所の稼働停止によるCO2削減量の未達、住宅価格高騰による社会減などが報告されました。
当別町人口ビジョン改訂版(案)


北海道医療大学の移転を前提とした将来人口推計が示されました。移転により2030年には社人研の推計より約520人減少すると予測されていますが、出生率向上や移動率改善(社会減の抑制)を目指すシミュレーション(ケースD)が提示されました。
教育委員会
補正予算(議案第1号関連)


学校施設西当別小学校の多目的室の普通教室化、および西当別小・中学校のトイレ改修(洋式化)完了に伴う精算。
総合体育館熱中症対策として、救護室と格技場にエアコンを設置するための備品購入費(662万円)を増額。
2.付託案件審査(陳情・請願)
委員会に付託された以下の案件について審査が行われました。
陳情「旧当別町開拓郷土館等の収蔵資料の活用を要望する陳情書」

結果
趣旨採択(報告書案を承認)
資料の重要性は理解するものの、郷土博物館の設置については公共施設のあり方を検討する中で協議すべきとしつつ、趣旨採択とすることが適当と認められました。
請願「義務教育費国庫負担制度堅持、負担率の2分の1への復元など、教育予算拡充と豊かな学びを求める意見書の採択を政府に求める請願」

結果
継続審査
紹介議員(角田委員)より、国庫負担率が1/2から1/3に縮減された背景や、「カリキュラム・オーバーロード(教育内容の過密化)」、朝鮮学校の無償化除外問題などについて補足説明がありました。
他の委員からは「項目が多く内容の理解が必要」「財源確保と地方裁量のバランスについて議論が必要」といった意見が出され、継続して審査することとなりました。
12月9日産業厚生常任委員会

12月9日に開催された産業厚生常任委員会では、住民環境部、福祉部、経済部、建設水道部からの議案説明や報告が行われ、その後、陳情・請願の審査が行われました。
主な議題は、スウェーデンヒルズ地区への診療所開設の断念、西当別地区の風力発電事業からの撤退、「こども家庭センター」の設置、そして道の駅の空調改修などが報告され質疑応答が行われました。
以下に各部ごとの重要事項と、請願・陳情の審査結果をまとめました。
各部からの報告・議案審査(所管事務調査)
【住民環境部】
火葬場(みどりヶ丘葬苑)へのエアコン設置

これまで冷房機器がなかった控室(和室2か所)と炉前ホールに、暑さ対策としてエアコンを設置するための補正予算(約199万円)が計上されました。
人権擁護委員の推薦
任期満了に伴い、白井氏と渡辺氏の2名を再推薦することが諮問されました。
国民健康保険の状況(報告)

北海道全体で令和12年度を目途に進められている「統一保険料率」に向けた動きについて説明がありました。
令和8年度の試算では、納付金総額は減少するものの、被保険者数の減少や「子ども・子育て支援金」の導入により、1人当たりの納付金額は増加する見込みであることが報告されました。
【福祉部】

「当別町こども家庭センター」の設置(令和8年4月予定)
児童福祉(こども未来課)と母子保健(保健福祉課)の機能を一体化した「こども家庭センター」を設置するための条例案や準備予算が審議されました。
総合保健福祉センター(ゆとろ)内の旧浴室休憩スペースを改修し、プレイルームを備えた相談室を設置する計画です。
スウェーデンヒルズ地区の診療所開設「見送り」(報告)
令和8年1月に開設予定だった医療法人から、医師の確保が困難になったため指定を取り下げたいとの申し出があり、事業撤退(事実上の断念)となったことが報告されました。
その他

「こども誰でも通園制度」(未就園児の預かり)を令和8年4月から実施するための条例制定などが提案されました。
【経済部】
西当別陸上風力発電事業の「撤退」(報告)

西当別地区で計画されていた風力発電事業(5万kW規模)について、事業者から採算性の悪化を理由に撤退する旨の書面が提出されたことが報告されました。町や議会は以前から環境への影響などを懸念し、反対の意向を示していました。
道の駅の空調設備改修

夏の館内温度上昇(テナント内40度超)対策として、テイクアウト店舗やプロショップの空調強化、エアカーテン設置などの改修工事(約2020万円)を行う予算が計上されました。
農業状況(報告)
水稲の作況指数は平年並み(100)でしたが、小麦は高温と渇水の影響で収量・品質ともに大きく低下したと報告されました。
【建設水道部】
水道管の修繕費増額

例年より漏水修繕件数が増加しているため、修繕費を900万円増額する補正予算が組まれました。
道路の損害賠償(報告)
町道の穴により車両が破損した事故について、約2万円の損害賠償を支払う専決処分が報告されました。
付託案件(請願・陳情)の審査結果
委員会に付託された陳情・請願について、以下のように決定されました。

既存の陳情審査
OTC類似薬(湿布やうがい薬など)の保険適用除外を行わないことを求める陳情
結果:不採択
理由:社会保障費の維持や現役世代の負担軽減の観点から、見直しはやむを得ないとの意見が多数を占めました。ただし、弱者や慢性疾患患者への配慮を求める「付帯意見」を付けて報告することとなりました。
町内会連合会の新設や活動支援強化に関する陳情(2件)
結果:不採択
理由:各町内会長への聞き取りの結果、「現状の制度で支障はない」「総連合会の結成には反対」といった意見が多数であったため、現状維持が妥当と判断されました。
新規の請願審査(12/5の本会議で付託されたもの)
以下の2件については、紹介議員(吉方委員)からの説明を受けるにとどめ、継続審査となりました。
地域住民の医療を受ける権利を保障するために医療機関の維持存続への支援を求める意見書の採択を求める請願
安心して必要な介護を受けられるように制度の改善を求める意見書の採択を求める請願
一般質問

12月10日と11日に行われた一般質問の概要をまとめました。
佐々木議員
佐々木議員は、生活に密着した支援制度(通学費、がん検診)と防災体制について質問しました。特に補助制度の根拠や若年層へのがん対策、避難所の環境に関心を寄せています。

Q1. 高校生通学費補助の拡充(補助率アップや大学生への対象拡大)はできないか?
A.(町長) 制度は始まったばかりであり、不用額をすぐに補助率引き上げに充てるのは適当ではない。まずは高校生への効果を検証し、将来的には大学生等への支援も検討したい。

Q2. 乳がん検診について、罹患率が急増する30代への補助を実施すべきではないか?
A.(町長) 国の指針は40歳以上。30代は乳腺濃度が高くマンモグラフィの有効性が低いことや、偽陽性の精神的負担も指摘されており、年齢引き下げには慎重な判断が必要。
Q3. 防災講演会等のオンライン配信はできないか?
A.(町長) 可能な場合は活用したいが、今回の講演会は講師の意向で行わなかった。
海野 議員
海野議員は、経営難に陥った社会福祉法人当別長生会の存続問題と、農家以外にも広がるアライグマ被害に焦点を当てました。特に長生会の事業譲渡後のサービス継続に強い関心を示しています。

Q1. 社会福祉法人当別長生会の経営状況と、9700万円の補助金の使途、今後の運営は?
A.(町長) 補助金は人件費や光熱費に使用された。自力再建は困難と判断し、札幌市の大規模社会福祉法人へ事業譲渡することで合意した。高齢者を路頭に迷わせないという方針に変わりはない。

Q2. アライグマ被害の対策状況は?
A.(町長) 捕獲数は11月末時点で463頭と大幅に伸びており、被害額は約154万円。
山﨑 議員
山﨑議員は、図書館の利用実態と学校教育環境(小中一貫校の課題・施設設備)について多岐にわたる質問を行いました。特に西当別地区への図書館新設や、学校のトイレ問題などに強くこだわりました。

Q1. 図書館(本館・西当別分館)の利用状況分析と、西当別地区への図書館新設の可能性は?
A.(教育長) 西当別分館は複合施設内にあり利便性が高いため利用が多い。現時点で西当別地区への単独の新設は考えていない。

Q2. 小中一貫教育(施設一体型・分離型)の成果と課題は?
A.(教育長) 一体型は先進的な意識向上、分離型は乗り入れ授業による中1ギャップ防止に成果がある。課題は教職員の異動に伴う意識維持である。
Q3.西当別地区の学校を5年以内に施設一体型へ移行できないか。
A.(教育長) 5年後に建て替えや一体化ができる見込みはない。
五十嵐 議員
五十嵐議員は、地域住民の生活利便性(公園、駐車場、バス)について質問しました。特に冬期間の公園利用のルール周知や、医療機関へのバスアクセス改善に注力しています。

Q1. 児童公園の遊具修繕や、冬季の雪捨て場としてのルール作りは?
A.(町長・建設部長) 施設更新は地域と協議している。冬季の雪置き場は、今年度より除排雪連絡協議会で一定のルールを設けて開始した。

Q2. JR太美駅前の駐車場不足への対応は?
A.(町長) 新年度より現状把握調査を行う。整備は駅周辺全体の土地利用を考慮して検討する。
Q3. ふれあいバスの病院(さいわい内科等)へのアクセス改善は?
A.(企画部長) ルート見直しは検討しているが、車両や運転手不足でギリギリの状況である。
角田 議員
角田議員は、町のプロモーション(大使制度)と多文化・多様性(外国人・LGBT)への対応について質問しました。制度の具体的な運用方法や、学校現場でのデリケートな対応に注目しています。

Q1. 観光大使やPR大使を委嘱してプロモーションを強化してはどうか?
A.(町長) 効果的と認識しており、予算措置も含めて庁内で検討中である。

Q2. 増加する外国籍住民や児童生徒への対応は?
A.(町長・教育長) 転入時の多言語案内やライフサポートカードを配布している。学校では国際学級の編成や翻訳ツールの活用、加配教員で対応している。
Q3. 性的マイノリティ(SOGI/LGBT)に関する教育は?
A.(教育長) 教職員の理解を深め、偏見をなくす教育を行っている。
芳形 議員
芳形議員は、長生会の事業譲渡における入所者保護と、教職員の働き方(不登校対応の負担)について質問しました。特に「措置入所」という行政責任が伴う高齢者への配慮にこだわりました。

Q1. 事業譲渡先の新事業者の強みと、現入所者の生活維持はどうなるか?
A.(町長) 新事業者は大規模法人で効率的運営や柔軟な人事が強み。養護老人ホームも継続運営される意向であり、町の措置責任として生活を支える考えは変わらない。

Q2. 不登校対応による教職員の業務負担をどう認識しているか?
A.(教育長) 業務量は増えているが、専門職(SC/SSW)や多様な仕組み(メタバース等)で組織的に対応しており、不登校対応が本来業務を圧迫しているとは考えていない。
上程議案の一覧

補正予算

議案第 1 号 令和7年度当別町一般会計補正予算(第5号)
概要: 歳入歳出ともに約2億988万円を増額。
主な内容: 障がい児通所支援給付費、障がい福祉サービス給付費、道の駅空調改修、畑地化促進事業などの追加計上。
理由: 事業費の不足や必要経費の補正のため。
議案第 2 号 令和7年度当別町国民健康保険特別会計補正予算(第1号)
保健事業費として37万円を増額。
議案第 3 号 令和7年度当別町介護保険特別会計計補正予算(第2号)
総務費や地域支援事業費として約472万円を増額。
議案第 4 号 令和7年度当別町水道事業会計補正予算(第1号)
配水・給水費など収益的支出を900万円余り増額。
議案第 5 号 令和7年度当別町下水道事業会計補正予算(第2号)
環境費など収益的支出を約36万円増額。
議案第 7 号 令和7年度当別町後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)
広域連合納付金など約1,895万円を増額。
条例改正

議案第 6 号 当別町職員の給与に関する条例及び当別町一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例制定について
概要: 職員の給料表引き上げ、期末・勤勉手当の引き上げ(計0.0259月分増)、住居手当の見直し。
理由: 人事院勧告に基づく給与改定を行うため。
議案第 8 号 当別町行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例制定について
概要: 基幹業務システムの標準化移行に伴い、宛名番号管理機能を実装するための改正。
理由: 地方公共団体情報システムの標準化に関する法律への対応のため。
議案第 9 号 当別町議会議員及び当別町長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例制定について
概要: 公職選挙法施行令の改正に伴う規定の整備。
理由: 法令改正に対応するため。

議案第10号 北海道医療大学連携プロジェクト基金条例制定について
概要: まち・ひと・しごと創生総合戦略における大学連携プロジェクト推進のための基金を設置。
理由: 大学との連携事業を推進する資金を積み立てるため。

議案第11号 当別町乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を定める条例制定について
議案第12号 当別町特定乳児等通園支援事業の運営に関する基準を定める条例制定について
概要: 令和8年4月から実施される「乳児等通園支援事業」に関し、事業者の設備・運営基準(11号)および確認基準(12号)を定める。
理由: 子ども・子育て支援法の改正により新事業を実施する必要があるため。
議案第13号 児童福祉法等の一部を改正する法律の施行等に伴う関係条例の整備に関する条例制定について
概要: 教育・保育施設、家庭的保育事業、放課後児童クラブの運営基準に関する3つの条例を一括改正。
理由: 上位法の改正に伴い、基準を整備するため。
議案第15号 当別町企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例制定について
概要: 企業職員(水道・下水道等)の住居手当の見直し。
理由: 一般職員の給与条例改正に合わせるため。
その他
報告第 1 号 専決処分の承認を求めることについて(和解及び損害賠償額の決定について)
令和6年11月15日に発生した公用車物損事故に関し、損害賠償額を2,970円と定めて和解しました。
報告第 2 号 専決処分の承認を求めることについて(和解及び損害賠償額の決定について)
令和7年9月27日に発生した車両事故に関し、損害賠償額を1万9,868円と定めて和解しました。
議案第14号 当別町道路線認定について
概要: 寄附を受けた私道を「町道稲穂通り3号線」として認定。
理由: 道路法に基づき議会の議決を得るため。
諮問第 1 号 人権擁護委員の候補者の推薦について
諮問第 2 号 人権擁護委員の候補者の推薦について
概要: 任期満了となる白井氏(諮問1号)および渡辺氏(諮問2号)を再度推薦することへの同意。
理由: 次期委員として適任であるため。







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