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当別町役場新庁舎はどれくらいお金がかかるの?

  • 執筆者の写真: 佐藤たつ
    佐藤たつ
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

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当別町の役場新庁舎建設をお金の面から考えてみます。


当別町はこれまで古い庁舎を使い続けてきましたので、建物の修繕費や水道光熱費などを除いて役場庁舎への支出はありませんでした。


新庁舎になれば、リースであれ借入であれ、毎年一定の支出が新たに発生します。一方で、新庁舎を建てても税収が増えるわけではありません。実家暮らしから一人暮らしに変わって、住居費があらたに発生するようなものです。


【P1】 表紙 当別町の新しい「おうち」の話。 新庁舎の費用を、私たちの暮らしの視点から見てみましょう。  【P2】 これまでと、これから。「実家暮らし」から「一人暮らし」へ。 今までの役場 建物の維持費などを除き、大きな支出はなかった「実家暮らし」。  新しい役場 毎年、家賃のように一定の支出が新たに発生する「一人暮らし」。

建設費は町の一般会計で賄います。一般会計は町民のみなさんへの行政サービスのための財源です。新たに発生する支払いのためには、いままでの行政サービスを見直して資金を確保しなければいけません。



先にまとめ


まとめ:新庁舎の費用、現在と未来  総事業費: 49億〜55億円と試算されています。  年間の負担額: 町民1人あたり約1.1万〜1.2万円です。  現在の影響: これは、今までの行政サービスの約1.3%を見直すことで賄います。  未来の課題: 人口減少により、2050年にはこの負担割合が1.8%程度に上昇する可能性があります。

  • 新庁舎の費用は町民1人あたり年間10,824円~12,186円

  • 今までの行政サービスのうち1.3%を削減して新庁舎の費用を賄う

  • 2050年にはリース料の割合が1.8%程度に上昇するおそれがある


どのような形であれ、役場庁舎は直さなければいけません。多額の費用がかかります。そして、その費用は原則として行政サービスにかかる費用の削減で賄わなければいけません。


将来の行政サービスの財源を確保するために、役場庁舎はとことん節約して建てることが最重要です。




総事業費


では、総事業費はいくらになるのでしょう?  総額 49億〜55億円 (基本構想(案)をもとにした試算)  この金額には、新しい建物の建築費だけでなく、今の庁舎の解体費なども含まれています。

基本構想(案)をもとに試算すると、建築費、既存庁舎の解体費などを含め、総額は49~55億円程度と見込まれます。詳細は、「当別町新庁舎建設基本構想(案)の解説」をご覧ください。



総額を30年間リースとすると年間1.6~1.8億円


仮に事業費の総額をすべて30年リースで支払うとすると、毎年の負担額は1.6~1.8億円となります。


それを「30年間の家賃」にしてみると… 毎年の負担額:1.6億円~1.8億円

リースの場合、金利や手数料が発生します。一方で、町発注工事と比べて民間発注工事は概ね10%ほど工事費が安くなるといわれています。この安くなった分が金利手数料になり、総額はほぼ変わらないとして試算しています。


当別町の歳出に占める割合は?


この1.6~1.8億円は、今の当別町の一般会計歳出(行政サービスの費用)に対して、どれくらいの割合でしょうか。2024年度決算(141億円)で計算すると1.3%です。


年間1.6〜1.8億円。これは、町の予算のどれくらい?  新庁舎リース料金:1.3%  その他の行政サービス費用:98.7%  2024年度の一般会計歳出(141億円)に対し、約1.3%です。

これを町民1人あたりに換算すると

この1.3%を、私たち一人ひとりの負担で考えると。 町民1人あたり:年間 10,824円~12,186円  4人家族なら:年間 約43,297円~48,743円

金額が大きいので、町民1人あたりにしてみました。仮に4人家族だと、一家庭で43,297円~48,743円です。


つまり、これは何を意味するのでしょうか?  新しい庁舎の費用を賄うために、今までの行政サービスの中から、年間一人あたり約1.1万〜1.2万円分を見直す必要がある、ということです。

この試算をもとにすると、新庁舎建設により、既存の行政サービスから、一人当たり10,824円~12,186円、約1.3%の費用を削減する必要があることがわかります。



1.3%の削減ってどれくらい?


では、町民一人当たりで考えるとどれくらいの大きさでしょうか。下の円グラフは町民一人あたりの支出額です。このなかから10,824円~12,186円の削減です。


2024年度の町民一人当たり支出94万円の内訳

このお金は、どこから来るのでしょう? 新しい支出を賄うには、既存の行政サービスから資金を確保する必要があります。 下のグラフは、現在、町民1人あたり年間94万円が何に使われているかを示しています。  当別町役場の町民1名あたりの年間支出額(内訳)  総務費:26.3% (¥246,922)  民生費:20.3% (¥190,955)  土木費:12.9% (¥121,629)  職員費:10.5% (¥98,665)  農林水産業費:7.3% (¥69,045)  教育費:6.3% (¥59,592)  公債費:6.0% (¥56,198)  衛生費:5.8% (¥54,641)  消防費:3.5% (¥33,229)  議会費:0.6%  商工労働費:0.3%

単純に1.3%を削減するとしたら


現状の当別町の支出から一律に1.3%を削減するとしたら、下の表のようになります。たとえば、議会費で108万円、社会福祉費で2,262万円、道路橋りょう費で1,401万円、義務教育費で327万円の削減です。


もし、すべてのサービスから一律に1.3%を削減したら? これはあくまで単純な計算ですが、例えばこれだけの金額になります。  社会福祉費から:2,262万円  道路や橋の維持管理費から:1,401万円  義務教育費から:327万円  実際には公債費(借金の返済)など削減できない費用もあるため、すべての行政サービスを丁寧に見直していくことになります。

ただ、これはあくまで単純な計算です。公債費(借金の返済)など削減できない費用もあります。すべての行政サービスを見直して、年間1.6~1.8億円を削減することになります。




2025年度の歳出額

その1.3%分の金額

1 議会費

11 議会費

82,928,670

¥1,078,073

2 総務費

21 総務管理費

3,629,058,960

¥47,177,766


22 徴税費

31,320,389

¥407,165


23 戸籍住民基本台帳費

23,320,554

¥303,167


24 選挙費

13,821,184

¥179,675


25 統計調査費

930,270

¥12,094


26 監査委員費

1,422,629

¥18,494

3 民生費

31 社会福祉費

1,740,264,498

¥22,623,438


32 児童福祉費

1,121,007,697

¥14,573,100

4 衛生費

41 保健衛生費

262,889,956

¥3,417,569


42 清掃費

286,783,592

¥3,728,187


43 上水道費

269,069,687

¥3,497,906

5 農林水産業費

51 農業費

962,632,930

¥12,514,228


52 林業費

71,943,708

¥935,268

6 商工労働費

61 商工費

48,596,109

¥631,749


62 労働費

75,395

¥980

7 土木費

71 土木管理費

821,415

¥10,678


72 道路橋りょう費

1,077,889,498

¥14,012,563


73 河川費

41,034,284

¥533,446


74 都市計画費

616,419,145

¥8,013,449


75 住宅費

86,329,537

¥1,122,284

8 消防費

81 消防費

497,900,000

¥6,472,700

9 教育費

91 教育総務費

460,930,678

¥5,992,099


92 義務教育費

251,361,723

¥3,267,702


93 社会教育費

113,850,704

¥1,480,059


94 保健体育費

66,782,512

¥868,173

10 災害復旧費

101 公共土木施設災害復旧費

5,000

¥65

11 公債費

111 公債費

842,064,880

¥10,946,843

12 職員費

121 職員費

1,478,396,498

¥19,219,154

13 予備費

131 予備費

0

¥0



14,079,852,102




2050年にはリース料が1.8%程度に~人口減少の影響は


未来の話をしましょう。私たちの町と、これからの30年。 現在(2025年)人口:約15,000人  将来(2050年予測)人口:約9,100人

リース期間がおわる30年後には当別町の人口は1万人を大きく下回っていることが予測されます。今から25年度の2050年の予測で9,106人。庁舎の完成が見込み通り2029年の場合、リース満了は2059年。2050年からさらに9年が経過しています。


でも、役場の支払額は30年間変わりません。 リース料は、住宅ローンの固定金利のようなもの。原則として、支払額は将来も同じです。  【変わらないもの】  毎年の支払額:1.6億~1.8億円  【変わるもの】  町の予算規模:人口減少に伴い、小さくなる見込み

リース期間中の支払額は原則として固定です。住宅ローンの固定金利のようなもの。一方で、町の財政規模は人口が減れば当然少なくなります。とすると、現時点では一般会計の1.3%ですが、将来は金額はかわらなくても割合は大きくなることが想定されます。


町村の人口と一般会計歳出の関係


このグラフは2024年度決算で、北海道の町村の人口と一般会計歳出の関係です。縦軸が一般会計歳出総額で、横軸が人口、赤マルが当別町です。地域や人口構成、産業などによりばらつきはありますが、おおむね、小規模町村ほど財政規模は小さくなります。

町村の人口と一般会計歳出の関係

Geminiに分析してもらった

  • 相関係数: 0.76

    • 人口と歳出総額には強い正の相関が見られます。つまり、人口が多い町ほど歳出総額も大きくなる傾向がはっきりと確認できます。

  • 決定係数 (R^2): 0.58

    • これは、歳出総額のバラツキの約58%が人口の違いで説明できることを意味します。残りの半分弱は、人口以外の要因(面積、産業構造、離島・山間部などの地理的条件など)によるものと考えられます。

試算モデル(回帰式)

このデータから導き出される、人口と歳出総額の関係式(単回帰式)は以下の通りです。

歳出総額(億円)=0.0063×人口+40.33

  • 固定費的な要素: 約40・3億円

    • 人口が0であっても理論上発生するベースの費用です。

  • 変動費的な要素: 1人あたり約63万円増加

    • 人口が1人増えるごとに、歳出が約63万円増加する傾向があります。


2050年の試算

30年後に地方財政がどうなっているかはわかりませんが、まずはこのデータをもとに考えてみます。


支払額は同じでも、負担の「割合」は大きくなります。 年間の支払額(最大1.8億円)は変わりませんが、町の財政規模が小さくなるため、予算全体に占めるリース料の割合は上昇します。  現在:1.3%(歳出141億円に対し)  2050年予測:1.8%(歳出97.4億円に対し)

2050年の当別町の予測人口

9,106人


2050年の当別町の一般会計歳出総額

上のモデルで計算すると歳出総額は97.4億円。リース料の割合は、最大1.8%になります。


※日本全体の経済成長とそれに伴うインフレにより、名目の財政規模が拡大し、実質的な負担割合が低くなることもありえます。



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どのような形であれ、役場庁舎は直さなければいけません。多額の費用がかかります。そして、その費用は原則として行政サービスにかかる費用の削減で賄わなければいけません。


将来の行政サービスの財源を確保するために、役場庁舎はとことん節約して建てることが最重要です。


 
 
 

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